リカ (幻冬舎文庫)五十嵐貴久「リカ」追加しました。昔、ただ怖いだけのホラー映画を良く見ていましたが、あの手の話に似ていますね。リカとメールやTELでやり取りしているうちは、出会い系何ぞに手を出すからこういう目に遭うのよ、といった趣だったのが、リカ本人が目の前に現れた途端、もうそれは人ならざるもの、腐臭漂う悪意の塊で、リカに同情する気持ちが吹っ飛んでしまいました。よく読めば「あれは一体どうなったの?」的な点も多々あるのですが、ホラーですから怖けりゃいいんだ、と納得。

書店のレヴュー

第2回ホラーサスペンス大賞受賞。普通の42歳サラリーマンの本間は遊び心から出会いサイトに嵌り、リカに出会う。自分の想う通りに事が運んでいるつもりが、恐怖の世界に引きずり込まれることに・・・。◆五十嵐さんはミステリーから青春物まで何でもこなす引き出しの多さで知られていますが、この作品はデビュー作でありホラー。途中から凄まじいストーカーと化すリカは、その経緯や事情は放り投げてしまって、ひたすら恐怖心を煽る化け物に。以前に、目指すのはハリウッド的エンターテイメント、とインタビューで語っておられた記憶があります。単行本にはない驚愕のエピローグに是非「ギャー!」と叫んでください。05/06/20★★★