ナラタージュ島本理生ナラタージュ」追加しました。基本的に恋愛小説は苦手だけれど、全く読まないわけじゃない。教師と教え子で思い出すのは姫野カオルコ「ツ、イ、ラ、ク」・・・これは良かったね。
さて、今をときめく島本さんの長編を読んだのは初めてでしたが、とにかく葉山先生が「何だこの男は?」という感じ。君を受け入れられないと言いながら、そばにいて欲しいという我が儘さ。主人公の泉ちゃんもそれをわかっていて、何度ももう会わないと決めては又会ってしまう。っていい加減にしろよ、と何度叫んだ事か・・・。

『君をこれほど大事に思うようになってようやく、もう一度、妻を大切に出来るんじゃないかと思ったんだ。』
良かったなあ、と思う自分が不思議だった。

とても教師とは思えぬ発言と、何もかも超越した愛を捧げる泉ちゃん。
本当の愛ってこんなものなんでしょうか。。。
そんな不平不満を言いつつも、文章の旨さは素晴らしいかと。なんといってもまだまだ若いので、年々違った形の愛を書かれていくんでしょうね。

書店のレヴュー

大学二年生の泉と高校時代の恩師葉山先生の切ない叶わぬ恋物語。◆最後まで、葉山のいい年して幼いズルさと泉の優柔不断さに苛立ちつつ読んだ。そんな状態を脱却するための救世主かと思われた小野君までも不甲斐なく撃沈だし。それでも最後まで読めたのは、他の登場人物が魅力的だったことと、さすが現役女子大生と感心する大学生活の描写の瑞々しさのおかげ。370ページの長い作品もあっという間に読了できた。こんな恋愛は小説の中だけにしましょう。05/06/20★★