楽園のつくりかた笹生陽子「楽園のつくりかた」追加。都会の子が田舎の学校に転校してきてなかなか馴染めなかったのが、ある出来事をきっかけに心を開いていく〜というよくあるようなパターン。でも「面白かった」。主人公の優少年の徹底した田舎嫌いと、自分の優秀さを鼻にかける態度が滑稽だし、級友のメンバーもかなりユニーク。3人の同級生は、この種の物語に登場する典型的田舎の子の山中君・性同一性障害の一ノ瀬さん(君?)・マスクで口を隠し会話が出来ない宮下さん。後者2人は山村留学生。祖父は認知症で最後まで優を息子の博史だと思っている。優の心の拠り所の父はシンガポールに単身赴任中(でも実は・・・)。母はピアノ教室を始め、田舎暮らしをENJOY。・・・以上忘れないようにメモしてみました。
ふと思ったことは、この父と母から何故優のような偏差値おたくの息子が育つかな〜って事。都会暮らしは子どもをこんな風に育てちゃうのか知らん。まっ、あくまでお話だけれど。

書店のレヴュー

中学二年生星野優は一流大学から一部上場企業へエリートを目指す偏差値崇拝少年。が、突然父の故郷であるド田舎へ引越しする事に・・・。◆全ては競争で友情なんかいらない主義の少年が、田舎暮らしの中で大事な事に気付く、というお話。引越しは拠所ない家庭の事情のため。それが途中で明らかにになるのだけれど、本人はひた隠しにしていたつもりが周囲の人たちはみな知っていて・・・。自分の弱さを認めたくないあまりの見栄っ張りな行動が大変微笑ましい。個性的な同級生(サル・オカマ・マスク少女)と祖父・母・父の幼馴染。人とのつながりの大切さを教えてくれる作品。6月文庫化。05/06/23 ★★★