漢方小説中島たい子「漢方小説」追加。前回の芥川賞候補でしたね。話は面白いんだけど、短い話のわりに登場人物が多すぎるんじゃないかなぁ〜と思いましたね。
私は漢方医(正確には中医学医)にかかったことはないんですけど、どこでもこんな感じの診療なんでしょうか?興味津々。あ、でも漢方医でも西洋医でもこんな親切なお医者だったら、具合もすぐ良くなりそうね。
ストーリーでは最後の方に、「七情」(喜・怒・憂・思・悲・恐・驚)の情緒反応が過剰になるとそれらに相応する五臓が病気になるという中国2000年の歴史の実証にふれるのですわ。んで、元カレが結婚したのを聞いたのがショックで、とか、仕事を降ろされたのがショックで、とか自分の弱い「恐」の部分を認めつつ、「変化を恐れない自分になりたい」という答えを見つけ出していく。・・・いい話でした。

書店のレヴュー

第28回すばる文学賞受賞。31歳脚本家の川波みのりは、ある日突然ふるえが止まらなくなり救急車で運ばれる事に。「昔の男が結婚したショックで体を壊しただなんて、ぜぇーたい、死んでも思いたくないっ!」◆4件の病院を回っても何の病気かわからず、心療内科に行こうと思っていた矢先に漢方と出会うのだ。病気を治したい一心で右往左往する様子が楽しい。しかも若く笑顔が素敵な漢方医にときめいて漢方のあれこれを調べるうちに自分の生きるテーマもわかりかけてくる再生物語。面白ついでに漢方の基礎知識も楽しめてお得な作品と言えるでしょう。05/06/23★★★