ベルカ、吠えないのか?古川日出男「ベルカ、吠えないのか?」
明日返さなければならない都合上、2日で読み終えました。いや、なかなか良かったですわ。
第二次大戦のときにキスカ島に置き去りにされた日本軍用犬4匹のうちの3匹の子孫の系譜ですね。世界中に広まった子孫の血筋が後にKGBの秘密部隊の軍用犬の血(宇宙犬ベルカ・ストレルカの子孫)に交わっていく。戦後史の復習にも最適です。
最初のイヌ、エクスプロージョン(雌)と正勇(雄)・北(雄)から始まって誰の子が誰かをメモしておく必要あり。(いや別にいいけど)あと世界地図。

書店のレヴュー

第二次世界大戦時、キスカ島に残された日本軍の4頭の軍用犬が始まりである。その子孫たちは数奇な運命をたどり世界に散らばっていき、その血は数十年を経てある男のもとに終結する。壮大な犬の系譜と20世紀の世界の動き。◆イヌの子孫の行く末を東西冷戦の変遷とともに書き綴るという趣向の作品。人間の愚かな歴史に翻弄されているかに見えて、自身の力でその歴史を積み重ねる逞しさも具えているイヌたちを淡々と描く。かなり読ませる作品。出来ればイヌの系統図と世界地図が付録にあれば読みやすかったかと。第133回直木賞候補作。05/08/18 ★★★