白夜行 (集英社文庫)東野圭吾白夜行」。
東野圭吾作品初読み。実は以前「殺人の門」を挫折した悲しい過去が・・・。忙しかったのもあるけれど、あれもかなりキツイテーマの話で、根性出して読み切る気になれなかったのでした。
さて、そんな昔もありましたが、人気のある東野さんですからきっと面白いのだろう、と思い続けておりまして、今回やっとチャンスが巡ってきたのでした。
結果、最後まで読むことが出来ました!(って感動所はそこかい。)ミステリーなもんで、詳細を書くのは憚れますが。
文庫版でP860の長編、19年間という描かれた時間の長さ、登場人物の多さ、それらが冗長にならずに、全てが緻密に計算され素晴らしいまとまり。最終章、主人公の二人が美しく悲しく、そして本人たちの口から心情を語られることは最後までない。うまいやり方だ。
・・・でも、実際トンでもなく悪い奴らで、悲しい過去があれば何やってもいいのか、みたいなことはあるんだけれどね。そこは小説だから許す。

書店のレヴュー

1973年大阪で起きた質屋殺し。迷宮入りとなったこの事件の被害者の息子桐原亮司と容疑者の娘西本雪穂は、接点がないまま成長していく。◆酷薄な少年亮司とあまりに美しい少女雪穂。その時々の時代を背景に、二人の周囲に起きる不気味な事件を追う作りになっている。とてつもない悪意の塊に見える二人の、根底にある物は辛すぎ。やるせない思いでいっぱいに。その真実と悲しい結末を知ったとき、この作品の見事に計算されたストーリーに感動しました。これは面白い。お勧めです。手に取るとブ厚さに圧倒されますが、程よい長さに章立てされているため読みやすかったですよ。05/08/22★★★★