雨と夢のあとに
柳美里雨と夢のあとに」。
これは・・・え〜ネタばれがないほうがいいのかな。まあ、大概読んでいるうちにわかると思うけれども。知りたくない人は見ないでね。一応小さくしておく。
お仕事中に父は死んでしまうわけです。で、一人残された娘のために幽霊となって家に帰るわけで。娘は始めこそ気づかなかったものの、次第に勘づいて、でもそのことを言ってしまって、もう父に会えなくなるのが怖くて、、、この辺をホラーの怖さと取るか、ファンタジーと取るか、人それぞれでしょうけど、カナタ的には後者で。娘である雨ちゃんには、他にも試練が次々と訪れて、せめて父だけは失いたくないという切なる思いがあるんだな〜、そこがもう痛々しいく感じられました。
柳美里さんの本といえば、ヒット作の「命」ぐらいしか読んだことがないんですけど、これは、なかなかよかったっす。

書店のレヴュー

柳美里初の怪談。私が読んだ限りでは、怪談というより、ファンタジーに近い雰囲気。◆桜井雨は12歳小学6年生の女の子。蝶の写真家である父と二人暮らし。父が取材に行くときには一人で留守番をするしっかり者。あるとき父は、台湾のジャングルで蝶を追いかけて穴に落ちてしまい・・・◆父を思う娘と、娘を思う父。二人の絆がどんなに強かろうとも別れの時がやってくる。いつまでもこのままではいられないことを知りつつも、今このときを終わらせたくない切実な願いが胸を打ちます。一部ホラー並みの描写がありますので、特に虫が駄目な方はご注意を。05/10/14 ★★★