ポーの話

ポーの話

今回もいしいワールド全開なんだけれど、今までになく暗い。人の持つ「悪」の部分の比率が高いからかな。
それにしても、今回の舞台設定もかなり独特。ポーはうなぎ女から生まれたしね。ポーもうなぎ女も人のようで人でなし。イラストとかないから、その姿かたちについては想像するしかない。あと人でなさそうなのは、うみうし娘か。その他の人々も、メリーゴーランド(女たらしの男)、ひまし油、天気うり、犬じじ、埋め屋とか、名前からしていい感じ。
なんといっても、天気うりが良い。ポーの成長ぶりもさることながら、天気うりの才能の開眼には感動。彼の残した言葉(女人形となった後)には、かなりぐっときました。
結局、人と、人でないもの、ひいてはこの世の中の生きているもの全ての間を橋渡しすることがポーの使命だったのかな、、、と。
なかなか難しいお話でした。

書店のレヴュー

うなぎ女から生まれたポーという少年のお話。◆ファンタジーのような「いしいワールド」。今回の舞台は川や海の水の世界。うなぎ女から生まれたポーは無垢な存在。母親である大勢のうなぎ女の愛に包まれ14歳に成長したポーは、人の欲望渦巻く世界に踏み込んでしまう。そこから長い旅が始まる。◆本当に大事なものは何なのか?本当のつぐないとは?人は生きていくうちに過ちを何度も犯し、一生がそのつぐないの連続なのかもしれない。人の善も悪も全て飲み込んで、その上で「一番深い底で間違ったことをしないこと。」川を下っていくうち、たくさんの出会いの中に大事なものを見出していく。05/12/10★★★