普通のスキューバダイビングというのは、どの程度の深さをもぐるものなんでしょう?10メートルぐらい?
この本のダイバーたちは、60メートル以上を潜り、沈没船を発見したり、お宝を引き上げたりする「ディープレックダイビング」を趣味とする人たち。水圧やその他諸々の危険と始終背中合わせの命がけスポーツであります。
「危険」が魅力なんだろうか?好き好んで危険に挑戦する人々もいるのね、世の中には・・・。
この本は、彼らが、見つけたUボートの艦名を探し当てるまでの飽くなき探求と冒険の日々を記録したノンフィクションであります。
感想・・・面白くはありました。危険なダイビングのシーンはスリルと感動にあふれているし、Uボートにまつわる歴史背景も興味深いものがありました。が、やっぱり身内にこんな趣味はやってほしくないな〜危険すぎます。現に、この話の中でも3人のダイバーが命を落としてますし。しかも、主な登場人物であるチャタトンとコーラーの二人ともが、この追求の最中に離婚している。何事も、のめりこむのは程ほどが良くない?(とかいっている人間はつまらない人生しか過ごせんのかしらね。)
・・・
追記。
本腰を入れて「ワルシャワ・ゲットー日記」を読み始めた今日この頃。この本のUボート隊員の生前の様子などをみると、ドイツ兵の誰もがナチスを支持していたわけではないのということがわかった。戦争なんて本当に愚かしい。

書店のレヴュー

1991年ニュージャージー沖水深約70メートル沈む謎のUボートが発見された。記録では、この海域で消息を絶ったUボートはない。謎の解明に挑んだダイバーたちの記録。◆この作品は、ディープ・レック・ダイビング(深海沈没船ダイビング)という極めて危険なスポーツの話であるとともに、第二次大戦時、一時は無敵を誇ったドイツの潜水艦Uボートの悲しい末路の真実でもある。◆主なダイバーの一人、チャタトンはベトナム戦争帰還兵。生死の狭間を体験した彼は自分の目指す生き方を実行するため危険なダイビングに臨む。もう一人の主人公コーラーはドイツ系移民。アメリカ近郊の海底に沈んだまま何十年も眠っている兵士たちを想い、彼らの存在を家族に知らせたいと願う。◆レジャーの域を遥かに超えて、強い義務感の下何度も危険なダイビングに挑んだ男たち。家庭を顧みずロマンを追い続ける男の生き様を描いた物語ともいえなくもない。全く男って奴は・・・。05/12/26★★★★