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- 作者: 朱川湊人
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/04/23
- メディア: 単行本
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ホラーっぽいんだけど、どこかほのぼのした不思議な雰囲気。その昔、戦後の猥雑な感じと、差別問題も色濃く残っていて、子ども達は貧しくとも逞しく生きていて。そんな中の幽霊やら「妖精生物」やら、生まれ変わりのお話。不思議だけれどそういう伝説とか言い伝えなんかも作り話なんかじゃなくって、本当にあのころはそうだった、という気がしてきた、そんな印象。
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追記。
「妖精生物」がブラックか?という問いについて。お答えしましょう。この話は他の5作と比べると、主人公の少女が最後まで不幸だし、全体的に隠微だし、後に残す余韻が不穏で、明らかに違う。ま、そういうのが一つぐらいあった方が刺激があってよいのでは?メリハリ。私は結構好きかも。さて妖精生物というのは、くらげの様な生き物で、少女はそれを妖しい露天商から小遣いはたいて買ってしまう。露天商曰く「これは幸せを運ぶ生き物さ。」。少女の家庭環境は省略するが、母親が若い男と逃げちゃって、寝たきりの祖母と足の不自由な父と少女と弟が残されてしまう。その怒りのたけを「妖精生物」に向け、思いっきり包丁を振り上げる少女。(ここからネタばれのため反転→)切れ目から薄皮がシュルシュルと捲れ上がり、現れたのは大量の黄土色の液体と老人の顔。驚いた少女は何回も包丁を突き立てるが、妖精生物は声高らかに笑い声を上げるのだった。(←ここまで)。キャ〜!
え〜グロいのはそんなとこです。女は、「女の幸せ」を求め続けずにいられないのさ、という話かと思いますが。