最後の注文 (新潮クレスト・ブックス)

最後の注文 (新潮クレスト・ブックス)

随分長きに渡って借り続けていたこの本もようやく読み終わり。
人生っていろいろあるからこそなんだよな。
『「生きてる」っじゃなくって、「死んでない」ってこと。』
レイが言ってました。だから、死んでいるように生きるんじゃなくって、もっと「生きてる」ことをしてもいいんじゃないかと。それはそうだ。もっとやりたいことやらなきゃ。

書店のレヴュー

長年精肉屋を営んでいたジャックが死んだ。「自分の遺灰はマーゲイトの海に撒いて欲しい」と言い遺して。彼の友人3人と養子の息子の計4人は、彼の灰を入れた壺と共に約100キロの道のりをドライブしていく。その道のりで、ジャックとの思い出が彼らの胸の内を駆け巡っていく。◆語り手は章ごとに変わり、彼らの人生を振り返り語られる。彼らは皆地味でうだつの上がらない者たち。夕刻にはいつもの馬車亭で一杯やっている。人生の中で特に華々しいこともなかった。肉屋のジャック、保険屋のレイ、八百屋のレニー、葬儀屋のヴィック。そして息子の中古車ディーラーのヴィンス。かれこれ50年にも渡る友情は時に嫉妬や裏切りによってかき乱されていた。◆この短い旅の間に、わだかまりが次第に消えていく。死んだ友が残したこのイベントは無駄ではなかったのだ。◆長い作品だが大きな出来事が起こるわけでもなく、非常に地味。だがそれが多くの人の人生であり、だからこそこれほどまでに心を打つのではないかと思う。06/01/14★★★