ニート

ニート

絲山さんのお話しに出てくる男は駄目な奴が多いが、今回の男は、ますます駄目っぽさに磨きがかかって。「キミ」は、ほっといたらノタレ死んでしまうのかわからないが、結局曖昧な関係しかもてない主人公の弱さに何故か共感を持ってしまう。
「愛なんかいらねー」は、絲山さんもついにここまで書くか!って感じ。これから絲山さんを読もうという方は、避けて欲しいかも。さて、最初読んだ時は本当にエポックメイキングだったけれど、2度目は麻痺したか、割と平気に読めた。こんな男に何を見たのかな、この主人公は。

書店のレヴュー

自分に自信がない、正直になれない、責任を持つのが怖い、愛していないと言いながら人との繋がりを切れない人たち。◆5つの短編。表題作と「2+1」は健康なのに働かない困窮した「キミ」を見かねて金を渡したり家に呼んだりする主人公の女性作家の揺らぐ気持ちを描いた作品。ニートである「キミ」の駄目さもさることながら、主人公の中途半端な援助のやり方に苛立ちとやるせなさを感じた。全部を抱え込む自信はないんだ。「愛なんかいらねー」は、かつての教え子と再会、嫌悪しつつも放り出せない彼女の話。「ベル・エポック」婚約者に死なれ全てを葬ろうとする女友達。「へたれ」草野心平の詩を散りばめ、自信喪失した僕の話。06/01/19 ★★★