ジェイン・エア (集英社文庫)

ジェイン・エア (集英社文庫)


長いことかけて読み終わりました。
ストーリーを簡単に書いておこう。
幼いころ両親を亡くしたジェインは伯父の家に預けられたが、その伯父もなくなり妻リード婦人に育てられる。そこで辛い仕打ちを受け、寄宿施設に預けられることに。その施設も粗悪で、食べるものも満足に与えられず、寒さに震え過ごすことに。が、疫病が流行して子どもが多数亡くなり、施設が責任を追及された結果、待遇は改善される。その施設で生徒として6年、教師として2年過ごした後、自立するため家庭教師の職を得て、ソーンフィールドのロチェスター家へ。当主のロチェスターさんに見初められて結婚することになるも、式の当日になってロチェスターさんには精神を病み狂人となった妻がいることがわかり出奔。牧師のシン・ジン・リヴァースに拾われる。リヴァース家に手厚くもてなされ、村の学校の教師になる。が、会ったこともない伯父が亡くなり多額の遺産を受け取ることになったことと、シン・ジンとその妹たちとは従兄弟であることを知る。遺産を従兄弟たちと分け合い、教師をやめ家事に勤しむ様になったジェインにシン・ジンは、自分の妻となり一緒に宣教師としてインドに行こう、という・・・。
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長くなってしまったけど、こんなところかな。P635と作品も非常に長い。最後まで読めたということは、面白かったのだろうか?
何と言ってもジェインという女性はプライドが非常に高く、それが鼻に付く場面が度々あった。確かに前半の不幸な場面が続くところでは、どんな酷い目にあっても挫けない、不撓不屈の精神であったから、プライドの高さも生きる糧となり、応援したくなったものだ。
が、教師となってからは、どうにも卑屈にみえるし、可愛げがない。それにロチェスターさんにあまり魅力が感じられなかったため、施設から外界へ出たばかりの世間知らずな娘を騙したオヤジとしか見えないし、ジェインもまんまと騙された馬鹿な娘、のような気がする。シン・ジンがインド行きを説得する場面は、その強引さ、人を見下した物言いに虫唾が走ったぐらいイヤだった。最後は、火事で視力と片腕を失ったロチェスターさんと結婚し幸せになりましたとさ。体の自由が利かなくなったロチェスターさんは以前の傲慢さも消えてしまっていて、前は「夫のものになる」立ち位置だったのが、お金も持ってるしロチェスターさんの面倒も好き勝手みれるし、で逆の立場になったのだった。なるほどね。
でもこれでいいのか?自分の才能を役立てることを探していたはずなのに。シン・ジンが怒るのももっともだ。
この作品は、何せ時代が1800年代前半だから、その点は考慮しなければいけないことはわかるけれども、わかっていてもやっぱりわからん。これでも当時は女性の自立をテーマにした作品ということで、上流社会からは批判を受けたらしい。フ〜ン。
と、あまり共感できませんでした。でも面白かった、としておくか、最後まで読めたから。