絲山秋子「沖で待つ」
- 作者: 絲山秋子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/02/23
- メディア: 単行本
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「沖で待つ」は、もう誰もがあちらこちらで聞いただろう、そういう話。恋人でもなく友人でもなく、「同僚」で、本当に対等な関係の不思議。しかもこの主人公は立派な「社会人」だ。そんな気がしました。
で、もう一つの「勤労感謝の日」。こちらの方が私は好き。会社の上司も、見合いの相手も具合悪くなるくらい酷い奴。仕事に目標も何もなかった。ただ「他の女とは違う」とは思っていた・・・。「沖で待つ」のように、職場に恵まれて、上司も同僚もいい人にめぐり合えて、という待遇のいい設定とは正反対。結構苦しい。でも最後に、「明日は『それでだめなら、その時さ』って言えるかな。」みたいな科白。ううっ、全くその通りだ、励まされました。ありがとう。