コニー・ウィリス「犬は勘定に入れません」。

まず、長い。小さな活字で2段組でP531。重いし、持ってて肩凝る。
それから、最初の方が、どうにも退屈。主人公は、度重なる時間旅行で、時差ぼけならぬ時代ボケ(タイムラグという)のため、序盤は意識朦朧状態、読んでるこっちもわけがわからないし、ついついウトウト・・・を10回ぐらい。もうこれは挫折かも、と思ったP100過ぎの7章付近からやっと面白くなってきて、後はゲラゲラ笑ったりしながらバンバン行けました。
第二次大戦で行方不明になった花瓶を探す話です。2057年と1888年、その他あちこちを行ったり来たり。歴史が変わるのを何とか防ごうとしながら悪戦苦闘。最後は全てがみんな丸く収まってめでたしめでたし。
最初の苦痛がなければもっと良かったのだけれど、なかなか面白かった、と言えるかな。

書店のレヴュー

2057年、第二次大戦時の空襲で焼失した大聖堂の再建のため、その詳細を調査している史学生ネッドは、度重なる時間旅行のため疲労困憊、見かねた教授は、休暇も兼ねてヴィクトリア朝に彼を送り込み、ついでに別の史学生が過去から持ち帰ってしまった「あるもの」を返還しようとした・・・。◆タイムトラベル物です。ヴァリティが止むに止まれず持ち帰ってしまった物のおかげで、齟齬が生まれ、それを元に戻そうと四苦八苦。なのに事はますます悪くなるばかり。さて一体どうなりますことやら。◆ヴィクトリア朝の情景や生活習慣、英国古典文学の引用も豊富に用いて、面白おかしく話は進みます。結末もばっちり決まって、なかなかの傑作。06/02/27★★★★