フィリップ・プルマン「ぼく、ネズミだったの!」。

ぼく、ネズミだったの!―もう一つのシンデレラ物語 (チア・ブックス)

ぼく、ネズミだったの!―もう一つのシンデレラ物語 (チア・ブックス)

児童書です。
「ぼく、ネズミだったの!」という少年が主人公、ちょっとドキドキのストーリー。
時折、新聞記事のニュース面がどん!と載ってるんだけど(皇太子結婚!とか)、始めのうち、これが本ストーリーとどう関係してるのか全然わからなくって。最後にああ!と気付かされました。上手いなあ。
この新聞記事が大衆を煽る道具になっていて、マスメディアの怖さや、発行部数至上主義を痛烈に皮肉っているんですよ。
あとは、市民をたらい回しにする役所、とか、教師の体罰とか。子どもが読んだら、それそのまんま受け取っちゃわないかな?と心配すると、対象年齢は上がるな。

書店のレヴュー

ボブは靴の修理屋、ジョーンは洗濯屋、この夫婦には子どもがなく、何か物足りなさを感じていたあるとき、ノックの音が。ドアの前に立った少年はひとこと「ぼくネズミだったの。」◆少年は何でも齧りまくり、マナーも全然なってない。2人は少年をロジャーと名づけ、身元を捜そうとするが、どこでも門前払い。あげく見世物小屋の男に連れ去られ、何とか逃げ出した後はモンスターと間違えられて死刑判決???◆副題にある有名なお話のサイドストーリー。鈍い私は、最後までどう繋がるのか気付かなかった!皇太子と幸せな結婚をした王女様の話題を挟みながら、ドキドキのロジャー救出劇。無責任な大人たちを皮肉いっぱいで面白く、ラストまで眼が離せない展開です。小学生高学年から中学生ぐらい。06/04/26★★★