フィリップ・クローデル「リンさんの小さな子」。

リンさんの小さな子

リンさんの小さな子

リンさんの国は多分ベトナム、バルクさんの国はフランス。途方もなく切ない。。。
高校生の課題図書にぴったりです。(自分もこんな本は読んで来なかったんだけどね。)

書店のレヴュー

戦禍の絶えないアジアの国。リンさんの故郷の村は焼き尽くされ、息子夫婦も死んだ。生後間もない孫の女の子をしっかり抱きしめ、リンさんは難民救助船に乗った。◆言葉の通じない異国で、ただこの小さな女の子を守り育てることだけを心の支えとするリンさんは頑な過ぎて、難民収容所の他の同胞たちとも馴染めない。そんなある日、散歩の途中のベンチで、妻を亡くしたばかりの男バルクさんと出会った。◆リンさんとバルクさんの言葉を超えた友情と絆のお話。簡潔な文章は、とても静かで、二人の深い悲しみがじわじわと染み出る様。戦争は、こんな善良な人たちを苦しめる。戦争の悲惨さを伝えるためには細かい描写がなくともいいんだ、と思った。そして、言葉はわからずとも、人は共感し会うことの出来るのだ。◆途中離れ離れになってしまった二人は、お互いを探し続け・・・06/04/28★★★★★