雫井脩介「クローズド・ノート」。

クローズド・ノート

クローズド・ノート

ウルウルどころではなく、号泣してしまいました。

一ヶ所目は、主人公香恵と、伊吹先生の教え子の君代ちゃんが出会う場面。
もう一ヶ所は、やっぱりラストの手紙を朗読する場面。
女子大生が主役の小説に、メチャクチャ感情移入してしまって、恥ずかしいですが、香恵の一喜一憂が、自分のことのように思われてしまった。こんな風に、生きるのに迷って立ち止まる時、光をかざしてくれる物があるっていいな。


多分香恵って、私と似ている。私も学生の頃、あんなキャラだったかも。
今はさすがに大人になった、と思いたい。

書店のレヴュー

以前の住人が忘れていった1冊のノート。いつしかこのノートが心の支えに。◆主人公香恵は、小学校教員をなんとなく目指している大学2年生。サークルのマンドリンや文具店でのアルバイトで、そこそこ忙しい。ある日親友が留学してしまい孤独感に襲われた時、前住人の忘れ物である一冊のノートを開いてみた。そしてこのノートに導かれ、漠然としていたものが少しずつ見えてくるようになる。◆香恵はごく普通の女子大生であり、恋愛を含めた、その普通の生活が書かれたに過ぎないのに、あたかも自分自身がノートに導かれるように共感してしまった。ノートの書き手である伊吹先生、あなたは素晴らしい。06/05/11 ★★★★