伊坂幸太郎「砂漠」。

砂漠

砂漠

長いこと温存してきましたが、直木賞候補になったのを機に、とうとう読んでしまいました。私は無力ですが、こうして読むことで、受賞しますようにと応援するわけですよ、西嶋君。
ああ、でもこの出版社では、やっぱり今回は駄目なのか?


で、面白かったよ〜「砂漠」。読む前は、「砂漠に雪を降らす装置を作る大学生の話」だと思っていました。そんなことはまるでなく、砂漠は比喩なのですね。ハハハ。
超能力やキックボクシングや強盗、ホスト礼一、その他諸々のいろんな要素が、最後にきれいにまとまって、大変よかったですわ。
やっぱり、大学行ってのんべんだらりとするより、こんな風に友達といろんな出来事に遭遇するのが楽しいよね。
またまた面白い作品をありがとう、伊坂さん。

書店のレヴュー

「その気になれば砂漠に雪を降らせることだって出来る」◆仙台の大学に入学した男女5人の青春物語。といっても「ほのぼの」や「熱い」ではなく、伊坂テイストの大学生たち。鳥瞰型北村、軽いノリの鳥井、世界平和を目指す西嶋、超能力少女南、クールで美人の東堂。合コン・バイト・恋愛と普通に過ごしていながら、不良ホストに絡まれたり、空き巣事件に巻き込まれたり、アンチ超能力者を一泡吹かせたり、プレジデントマンに遭遇したり、となかなか波乱万丈な4年間を、サラっと風が吹くように描いているのが、最高にかっこいい。やがて卒業を迎えた彼らは、もう砂漠に放り出されても心配ないぐらい頼もしく感じられた。大学生活っていいよね。06/07/12★★★★