橋本紡「流れ星が消えないうちに」。

流れ星が消えないうちに

流れ星が消えないうちに

昨日、難解な本を読んで悶々としていただけに、さらさら気分よく読めました。わかりやすい話は気持ちがいい。さすがラノベ出身の作家さん。
さて、これは苦手な恋愛物ですが、家族物もおりまぜてるせいか、抵抗なく読めました。
あああ、そっか、巧君視点が良かったね。
恋人の死から立ち直る話だと、結末は大体こんなもん?みたいなところはあっても、プラス「男の友情」があって、ありきたりなお話を補ってるのかも。
お父さんの家出問題の方は、主な話ではないから仕方がないが、ちょっとおざなりっぽいけど、娘に頼らずに仲良くやってくれよ、って感じ。円満解決なら、お母様も一緒にすき焼き食べて欲しかったわ。

書店のレヴュー

一年半前、奈緒子の恋人であり巧の親友加地は、海外旅行先で事故に遭い亡くなった。加地を忘れられぬまま二人は付き合い始めたが。◆「恋人の死」というよくある題材ですが、この作品は、奈緒子と巧の2つの視点から書かれていて、それが非常に効果的で、ありふれたラブストーリーではなくなっています。また、家出中の奈緒子の父、受験生の妹、がさつな巧の姉、山崎先輩などの脇役陣が、知らず知らず、二人に前向きに生きていこうとする力を引き出される手助けをするあたりが憎い。人生には困難も多々あるけれど、長く生きるのも悪くない、と改めて思わされた一冊。06/09/07★★★