リチャード・ペック「ミシシッピがくれたもの」。

ミシシッピがくれたもの (創元ブックランド)

ミシシッピがくれたもの (創元ブックランド)

リチャード・ペックの新刊が出てたので読んでみた。
いや、予想外に重い話だった。
主な舞台は、南北戦争勃発の1961年のイリノイ州ミシシッピの河沿いにあるグランドタワーという小さな町。


あらすじ書いても仕方ないから止めとくけども。
戦地の兵士たちの待遇の悪さ(伝染病・食糧事情)と人種差別の強烈さは、眼を覆いたくなるほど。
「黒人の自由民」という言葉も、この本で初めて知った。
そういえば、南北戦争のことだって、ほとんど知らなかったので、Wikipediaで調べてみた。
ほんのちょっとだけど、アメリカの歴史を知ることが出来たかも。


しかし、北軍が勝ったのに人種差別はなくならなかったんだよね。

書店のレヴュー

1916年、主人公の少年は、初めて父の生まれ故郷を訪ねた。祖父母と大伯父・大伯母が暮らすその家で過ごした間に、祖母が語ってくれた祖母の少女時代の記憶。最後に思いがけないことを知る事になる。ミシシッピ河を見下ろす丘の中腹に建つ家で暮らす家族の歴史とルーツには、悲しい出来事があった。◆主人公の少年が登場するのは冒頭と最後の章だけで、後は祖母が語る少女時代のお話。1861年に勃発した南北戦争は、誰に恥じることなく地味に暮らす静かな家族に、大きな変化をもたらしていく。過酷な兵たちの待遇と、残された家族の苦しみ、そして何より人種差別という大きな壁。◆前半は『シカゴよりこわい町』『シカゴより好きな町』のように、世間を痛快に皮肉った面白さも多々あるものの、後半は、ごく平凡な庶民から見た南北戦争の史実を描いて重苦しく、小学生には難解な箇所もある。中学生以上がおすすめ。06/09/15