「Sweet Blue Age」

Sweet Blue Age

Sweet Blue Age

角田光代「あの八月の、」
これは非常に同感した話でした。私も封印したいことがチラホラ。こういう誰もが共感する話をサラッと書くあたりが、当然のように上手い。


有川浩「クジラの彼」
前にも書いたけど「海の底」の裏側のお話らしい。笑えました。「海の底」と「図書館内乱」を合わせて図書館に予約しようっと。月末にはまたしても新刊が出るのですね。「レインツリーの国」こちらも楽しみ。


日向蓬「涙の匂い」
この舞台は、あそこじゃないですか。それがわかったおかげで妙に親近感。あの知事さん、懲りずにこの前選挙に出ていたっけ。
父・母の不甲斐なさ、田舎暮らしの現実味、その後の人生に漂うそこはかとない敗北感。
これはちょっと良かった。チェック。


三羽省吾ニートニートニート
こういうことは、もっと早く気付く方がいいね。でもまだ若いから。・・・いいな、若いって。


坂木司「ホテルジューシー」
この子は大丈夫だな〜と。
やはり、人は経験だ。色々体験してこそわかるってもんだね。
冒頭の詩がきつい。
「・・・・・
そんな無責任な人間と一生つきあわずにいられたら、
私はきっと幸福に違いない。」
私も嫌われていたに違いない。ひょ〜。


桜庭一樹「辻斬りのように」
どこに面白さがあるんでしょうか。すいません、よくわかりませんでした。


森見登美彦夜は短し歩けよ乙女
幻想的な雰囲気(ちょっと千と千尋を思い浮かべましたが)の京都の繁華街を、女の子が呑み歩くお話。不思議。


なんて統一感のない本でしょう。
というのが、まとめの感想かな。

書店のレヴュー

人気作家7人、角田光代有川浩・日向蓬・三羽省吾坂木司桜庭一樹森見登美彦による青春小説の短篇集。どの作品も非常に個性的で、その作家を知るためには良いのでは。◆有川浩「クジラの彼」潜水艦乗りの男と付き合ったばかりに、会えない時間に翻弄されるOLの話。ヤキモキ感が面白く、ラストはホロリ。◆日向蓬「涙の匂い」父親が左遷され、東北の片田舎の中学校に転校してきた主人公。田舎暮らしに戸惑いながらも、少しずつ大人になっていく。ラストはなかなかシビア。現実は厳しい、でもそれが人生。◆坂木司「ホテルジューシー」卒業旅行資金を貯めるため、南の島でアルバイトを始めた女子大生のひと夏の思い出。同僚のだらしなさに振り回されているうちに、自分の生き辛さが何なのか気付いてしまう。「私、何とかやっていけそうだよ。」06/09/22★★★