「絶対、最強の恋のうた」中村航。

絶対、最強の恋のうた

絶対、最強の恋のうた

いつもの中村航の作品で、いつもと同じように安心して読めました。
これは、この理論でいけば、本当に「最強」の恋の話。
二人には、このままず〜っと最強であり続けて欲しいな。
私も「絶対」を信じたいから。
子どもに「この世に『絶対』なんてない」と言う大人にはなりたくない。


途中、大野君の彼女が、工学部の男の子について分析する場面があるんだけど、これにはかなり頷けました。
ちなみにウチのダーリン一号は機械で全くその通り。

大野君や坂本君が属する機械系は、何というか泥臭い人が多かった。
(略)
小ぎれいにしている大野君も、あれでなかなかに泥臭いマインドを秘めていると思う。

で、大野君とも何気に似ている。…おっと、これじゃ惚気てるみたいね。フフフ。

書店のレヴュー

ゼッタイなんてこの世にはない。だけど、絶対にって祈りたくなる気持ちは、確かに今ここにある…静かに愛を育む恋愛物語。◆アンソロジー「I love you」収録の「突き抜けろ」に前後書き足した長編青春物。後半に大野君の彼女「ミート君」の視点部分が追加され、最後に大野君の友だちである坂本君の後日談があります。◆静かに着実に、確かなものに近づいていこうとする恋愛の話は力強いものを感じました。そしてもう一つ、破滅的な生活を送る「木戸さん」のエピソードが印象的。何かを突き抜けるために、突発的に富士山を目指す木戸さん。大野君の恋愛とは対照的だけど、それも悪くないな。青春だもん。最後の坂本君の話、よくやった、と褒めてやりたい。彼も成長したんだな…と。06/11/27 ★★★