「グールド魚類画帖」リチャード・フラナガン。
- 作者: リチャード・フラナガン,渡辺佐智江
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2005/06/25
- メディア: 単行本
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これらを踏まえて、もう一度読み直ししなければいけない、、、もう気力がないよ。
グールドは実在の人物ではあるけれど、本作はあくまでグールドの絵を基にしたフラナガンの創作。その点さえも混乱するのに、作品の世界の中の真実すらあやふやな物にし、読み手を翻弄する技巧には、もう呆れました。(褒めてるんです。)
読みづらかった原因は、やたらとまわりくどい比喩にあるのかと。それが何のイメージなのかつかめない事が多々あり、しかもなんども何が主語かさえわからなくなった。
原書で読めば、韻をふんでるのかも知れず、それができるならば原書がいいね。
というのも、原書では、各章ごとに活字の色が6色使われているらしい。
赤は、かさぶたをはがして出した血、紫は紫ウニの殻の色…と囚人グールドがインク代わりに使ったものの色を再現しているらしい。日本語版では、わずかに黒とセピア(?)のみ。しかしカラーのイラストが入っていて美しい。(で、値段もお高いです、この本。ちょっと買う気にはなれません。)
訳者あとがきに書いてありますが、グールドの絵はここで見ることができます。