「かかしと召し使い」フィリップ・プルマン。

かかしと召し使い

かかしと召し使い

「黄金の羅針盤」に比べれば、簡単で軽くて大変読みやすく、面白い。
舞台は、登場する人物名からすると中世イタリアっぽいな。
始めはただのかかしだったのが、盗まれて他所の畑に行ってしまい、あげく雷の直撃を受けて分子構造が変わったみたいで(笑)命が宿って、冒険の旅に出るのだ。で、なんせかかしだもんで、ちょっと考えが足りないため、各地でトラブルに巻き込まれてしまう。
お供は身寄りのない少年ジャック。彼は賢く、危機になると大活躍。しかし人間ですから、いつもおなかをすかせていて、ちょっと気の毒。かかしは飲み食いできるみたいなんだけど、あまり腹は減らぬ感じで、食べ物がないことにあまり危機感はない様子。
読んだことないけど、なんか「ドンキホーテ」のような?ラストはハッピーエンド。

書店のレヴュー

雷に打たれて命を授かったかかしと、戦争で家族を失い行き場がなかった少年ジャックの冒険譚。実はかかしには鳥を追い払う以外に重要な使命があった!◆「黄金の羅針盤」の作者フィリップ・プルマンの新刊です。主役のかかしは、作ってくれたじいさんの言いつけを守り勇敢で誇りがあって正義感が強いのですが、カブが頭の脳みそなしですから、いまひとつズレているのです。そこを補うのが機転が利いて賢い少年ジャック。この二人が山賊を退治したり、兵隊に入ったり、無人島に流されたりと波乱万丈の旅をして、最後は悪どい金持ち連中に裁判で勝利し、故郷の自然豊かな谷を守る、という話。◆かかしが行った先々で出会った人々が、相手が純粋無垢なかかしたちの場合と、ずるい弁護士の場合とで会話する態度を大きく変えるところが何とも皮肉ぽくって面白いのです。一般庶民は権力に弱いのですよ。子どもにわかるかな。小学高学年から読めそう。07/02/01★★★