「永遠の出口」森絵都。

永遠の出口 (集英社文庫(日本))

永遠の出口 (集英社文庫(日本))

いや、これは面白かった、というか恥ずかしかった。あああ、女の子はみんなこんな事を経ないと大人になれないのかしらね。
全部が全部というわけではないけれど、似たような事は自分でもあったと思うし、そういう人はいたよな。あ、だから女は嫌い、ってのもあります。
それに、大人は皆こんな痛い思い出を抱えているのだから、子どもが痛いことをしていても目くじら立てることはないのだろう、とも思ったり……なかなか出来ませんが。
しかし小中時代の暗い話題から一転、高校時代の恋の話題一色への変わり具合はすばらしい。高校生ともなると、くだらないいじめや親への反抗は薄らいでいくものなのかな。

書店のレヴュー

大人の入り口に近づきつつある多感な年頃の少女紀子の成長物語。◆児童文学作家だった森絵都さん初の大人向け小説、と話題になった作品。主人公紀子が一人称で語る本作は、紀子自身が小学校三年から高校卒業までを回想する作りだ。世間知らずで、独りよがりで、自己中心的で、そんな思春期の未熟だった自分を語っていく。◆似たような事は誰でも経験しているだろう、あの酸っぱい時代を鮮やかに思い出させてくれた。どれも決して大事件ではないし、大人からみればくだらなく幼稚に思える事でも、当時はそれが世界の全てで重大な出来事だったんだな。佳作。07/01/31★★★★