「ガール」奥田英朗。

ガール

ガール

30代OLの話だけどみんな元気。パワフル。悩みはあっても、楽しそうじゃありませんか。どれもラストがスッキリ爽やかで悲壮感がないのがいい。
私は結婚してからこっち働いた事がないのだが、もし仕事をやめてなかったら(イコール一号と結婚しなかったら)、どうなってたんだろうか?「マンション」のパターンかも。
でもあの時は、この選択肢しかないと思ったし。
この本の主人公たちのような時期を通り過ぎてきた身としては、もしも「今楽しいから、今の生活を変えたくない」っていう理由で結婚や出産を考えないようにしているんだったら、それはもったいないな、と思ったりする。
結局、退職も結婚も出産も大きな転機だけど、人生はそういう大きな変化があって後に面白かったと思えるんじゃなかろうか。
私がやってきた「転勤族の妻」や「社宅暮らし」も楽しかったよ。いや、ホント。
ま、実際いい相手に出会えば、この選択肢も許容範囲に入れられるんだろうけど。
二号が高校卒業したら、私もまた一号と一緒に放浪するかもしんないね。ああ、でも家建てちゃったから、それはないのか。

書店のレヴュー

30代OLの葛藤をコミカルに描いた5つの短編集。◆5人の女性は、結婚してたりしてなかったり子どもがいたりいなかったりと様々ですが、共通しているのは大卒で一流企業勤務、仕事にやりがいを感じていて且つ仕事の出来る人。働く女性としてかなり恵まれているのではないでしょうか。でも同性なら何かしら共感できることがあるかと思います。作中にもありますが、どんな生き方の可能性もあって、そのどれであっても完全に満足する事はなくブルーになるのが女かもしれないですね。女は本質的に贅沢でわがままなのかも。奥田さんは男なのによくわかるもんです。感心。07/02/14★★★