「冥王星パーティ」平山瑞穂。

冥王星パーティ

冥王星パーティ

まあ、普通の話、って言ったら、大概の小説は普通になっちゃうけど。
「ラスマンチャス通信」にせよ、「忘れないと誓った〜」にせよ、設定がかなり突飛だったし、「シュガーな俺」は糖尿病小説だしで、その多様さに驚いていたわけですが、4作目にして、ごく普通の世界の男女の話。
世の中には破滅的な生き方してる人がいて、そういう人が何故そんな風になってしまったのか、というところを小説にしたかったのかな〜。
で、この作品の男の方は、ごく真っ当な奴だと思う。ダサかった奴が、社会経験踏んで遊び人に変身した、、、けど本質的にはいい人なので、内心葛藤している。
女の方は、てーとー、これはかなり無茶な人です。自覚してるみたいだけど。とても同情できない。まあ、これからは着実に生きていくのかもしれないね。何度も同じ失敗を繰り返して、きっといずれいい方向に。
いや、これが人生ってもんなんだね。
春だね〜(なんのことやら)。

書店のレヴュー

かつて自意識過剰でダサくてキモイ高校生だった桜川衛。努力の甲斐あって今や大手証券会社に務め、複数の女性と付き合うまでになった。が、何か間違っている気がする…◆昔付き合ったことのある男女が再会し、11年を経て互いがいかに変わったかを知り、これからどう生きるかを確認しあうストーリー。元恋人祥子が変わり果てているらしい事を知り、彼女の「11年」を埋めていく。◆やり直す事ができない人生、辛い事もなかったことにはしないで、そこから新しい一歩を踏み出していこう、とする祥子の姿が心に残りました。がんばれ。◆平山さんの作品はバラエティに富んでいて、新作を楽しみにしていましたが、これはいたって普通かも。07/04/14★★★