「最後のウィネベーゴ」コニー・ウィリス。

最後のウィネベーゴ (奇想コレクション)

最後のウィネベーゴ (奇想コレクション)

コニー・ウィリスって、女だったんだね。視点が女っぽくって、面白かった。
4つの話が入っている本作ですが、一番は「スパイス・ポグロム」。
ソニー」って名の宇宙コロニーに、ミサワホームのアパートが建ってるだなんて、笑える。
ミサワ・ホームさん、ウィリスに感謝しないとね。
コロニーに大挙して訪れたエイリアンとの交渉が遅々として全然進まない日本のチームの役所仕事や、この機に乗じて一儲けしようとする大家の渚氏の無慈悲な態度など、アメリカ人から見ると日本人ってこんなの?

書店のレヴュー

アメリカSF界の女王コニー・ウィリスの傑作集。◆『女王様でも』娘がサイクリストになってしまい一族が大揉め!サイクリストが何かはオチに直結しているので書けないのが残念ですが、女性らしい着目点。未来はこうなるかも。◆『タイムアウト』時間転移の研究に参加することになった男女のロマンス。テーマは「中年の危機<ミッドライフクライシス>」。日々子どもの送り迎えに奔走し、仕事が忙しくて帰ってこない夫にじわじわと不満を募らせていくキャロリンがリアル。◆『スパイス・ポグロム』あとがきによると作者はスクリューボール・コメディの大ファンだそうで。喧嘩しながら男女が恋に落ちるドタバタ劇。エイリアンとのかみ合わない会話がもどかしくて面白かった。日本の地名や企業名などが登場し、日本を皮肉っているヶ所多々あり。◆『最後のウィネベーゴ』犬が絶滅してしまった近未来のアメリカが舞台。愛すべきものが失われていく寂しさが募ります。07/04/24★★★