「マハラジャのルビー」フィリップ・プルマン。

マハラジャのルビー―サリー・ロックハートの冒険〈1〉 (創元ブックランド)

マハラジャのルビー―サリー・ロックハートの冒険〈1〉 (創元ブックランド)

プルマンさんの新作ですよ。っといっても書かれたのがライラよりも前。これはライラの映画化に便乗したんでしょうか。何はともあれ、こうして読めるのは幸いですな。
さて、これは「サリー・ロックハートの冒険」シリーズとして4部作になるようです。次作はこの本より6年経った設定だそうで、そうするとサリーは22歳?児童書にはならないのかしら。
あらすじ。

サリー・ロックハート、十六歳。海運会社の経営者だった父を船の事故で失い、天涯孤独の身になったばかり。そのサリーのもとに、ある日謎めいた警告の手紙が送られてきた。ところが、その手紙に書かれていた“七つの祝福”という言葉を耳にしたとたん、サリーの目の前で、父の会社の重役が死んでしまったのだ!ヴィクトリア朝のロンドンを舞台に、変わり者の少女がもちまえの機転と勇気で父の死の謎に挑む。サリーにつきまとう怪しげな老婆、阿片の煙にかすむ幼いころの記憶、そしてマハラジャのルビー…。あの“ライラの冒険”の著者プルマンの傑作シリーズ第一弾。

行き場のなくなったサリーは、写真家フレデリックの家に匿われるんですが、ここでの生活が楽しい。女性が女性らしくする事を強いられる時代に「自立する女」を目指して振舞うサリーの逞しさ、対照的なフレデリックの生活力のなさが面白い。
話はこれ一冊で一段落、というか終わってるのか?よくわからない。
巨悪の張本人は逃げちゃったみたいだし、アデレート(怪しげな老婆の旅籠の使用人だった。)は行方不明だし、謎も残ってるけどな〜。
内容を忘れちゃわないうちに次を出してもらいたいものです。

書店のレヴュー

海運業を営む父の船が父を乗せたまま東アジアの海に沈んでしまいました。ひとりぼっちになったサリーは遠縁の家に身を寄せましたが、意地悪な夫人のために肩身の狭い思いをして暮らす日々。そんな時、謎の手紙が届いたのです。「七つの祝福に用心しろ」。◆「ライラの冒険シリーズ」の作者フィリップ・プルマンの新しい本です。といっても発刊されたのはライラよりも前の1985年。このあと3冊が書かれていて4部作になるようです。ミステリ&サスペンスのサリーの冒険はファンタジー要素はありませんが、時代設定がヴィクトリア朝の1872年でなかなかよい趣きがあります。◆よき仲間に出会い協力を得たサリーは悪人たちと立ち向かいます。マハラジャのルビーの行方と阿片をめぐる陰謀、父の死の真相に迫ってハラハラドキドキの展開は目を離せません。07/07/03★★★★