「正義のミカタ」本多孝好。

正義のミカタ―I’m a loser

正義のミカタ―I’m a loser

今までの本多さんの作品とは、かなり印象が違う。社会派。いじめ、格差、ワーキングプアなど、世の中の仕組みの説明が山盛り。


初っ端から殴る蹴るの暴行を受け、お金を取られそうになる亮太。しかも思考が卑屈で、隠隠滅滅な気分にさせられる。
そこにトモイチが颯爽と現れ亮太を救ってくれ、あれよあれよと「正義の味方研究部」に入部、構内の平和を守る正義の味方になっていく。
が、とあるサークルのねずみ講疑惑の潜入捜査をしていくうちに、亮太の心に一抹の疑問が浮かび…。


結局、人はそれぞれ自分の「正義」を持っている、ってことなのかな。自分に出来る事、それをやっていくしかない、と。
地味なお父さんが、最後になかなか良い気概を見せてくれて好感が持てました。

書店のレヴュー

高校の3年間、いじめにあっていた蓮見亮太。知っている人が誰もいない大学に入って新しい人生を始めようとした矢先、いじめの主犯格と構内で出くわして…。「正義」って何?と読者に問う青春物語。◆亮太はひょんなことから「正義の味方研究部」というサークルに入部する事に。大学内で起こるトラブルや不正を学生たちで解決するのが趣旨のこの部、亮太も最初はいたく感激し正義に闘志を燃やすのだが…。格差社会の中にあって、何が「正しい正義」なのだろう?◆タイトルの「ミカタ」は「味方」であり「見方」でもあることが次第にわかってくる。正義の定義は人それぞれで、結論はないのかもしれない。が、カッコ悪くても自分の「正義」を通していこうと決める亮太は、やっぱりカッコイイよ。07/08/08★★★★