「スコーレNo.4」宮下奈都。

スコーレNo.4

スコーレNo.4

巷で「よかった」という評判を見かけたので、読んでみました。
宮下奈都さんは、初読みか、もしかしたらどこかのアンソロジーで読んだ事があるかもしれないけど記憶なし。初の長編書き下ろし、だそうです。
で、まあまあ面白かった、、、かな。「おんな、おんな」した小説だった。元々この手の話は苦手ですが、本作は淡々としていて、ねばつく感じはない。
「スコーレ」って、ギリシャ語でスクール(school)の語源、だそうで。ふ〜ん、なるほど。No.1の中学時代から、No.4の仕事や恋が充実するまで、時限ごとに区切っている作り。
初恋の話とか、年上の従兄弟を妹と取り合ったり、仕事で悩んだり、そういう話。最後はハッピー。
「いいことも、悪いことも、涙が出そうなくらいうれしいことも、切ないことも、扉の向こうの深いところでつながっている。」
そういうことです。

書店のレヴュー

少女期から好きな仕事に出会うまで。主人公津川麻子の成長を描く。宮下奈都さん初の書き下ろし長編。◆欲しいものを欲しいと言える器量良しの妹七葉と比べることで、自分に自信をなくしてしまっている麻子。自分には本当に欲しいものがないのか。中学、高校、就職、と時代を経て、やっとたどり着いた先は…。◆これは女が書いた女のための物語。麻子は何事にも真摯で、故に傷つくことも多い。年の近い妹と何かにつけ比べ引け目を感じ、自信を失う、の繰り返し。でも、キチンと評価してくれる人もいて、やがてたどり着くべきところへたどり着くのですが、そこまでの過程が大変もどかしく、面白いのです。辛い事、悲しい事も決して無駄ではなかった、ということで。07/08/17 ★★★