「1950年のバックトス」北村薫。

1950年のバックトス

1950年のバックトス

短編集だった〜知らずに読み始め。23も入っているのでどれもこじんまりとあっさりしてるし、最初のほうはホラーちっくな作品が続いてちょっとがっかりぎみだったけど、後半の作品で持ち直した。
特に最後の「ほたてステーキと鰻」がよかった。
「サバサバ」の牧子さんが主人公で、「ひとがた流し」の後に続くお話。
娘が寮に入り、もう若くないことを実感しつつ一人寂しさをしのいでいる牧子さんの姿にホロリ。
普段なら難なく越えられても、時にたかだか藁一本の重みで挫けてしまうこともある。
ポキンといかないように……。
我が身のように感じた作品だった。