「心臓と左手」石持浅海。

心臓と左手  座間味くんの推理 (カッパ・ノベルス)

心臓と左手 座間味くんの推理 (カッパ・ノベルス)

同じ作家の本を続けて読むのも久しぶり。平素は飽き防止のため連投しないようにしておりますが、今回はしかたなく。


「月の扉」の続編。
例の事件の時、あまり活躍のなかった警視庁の大迫警視が、東京で偶然座間味君と再会、飲み友達になる、というお話。座間味君って「月の扉」の時は、いつもカリカリしていて神経質そうな奴、と感じていたが、実は爽やかスポーツ系だったんだね。前回はハイジャックの人質だったから、緊張を強いられて平常ではなかったからかな。
短編が7つ。どれも大迫さんが「既に終わった事件」の話をする→座間味君が推理して思いもよらない真相にたどり着く→大迫さん大慌て!→座間味君のクールなオチ、というパターン。どれも小気味よくひっくり返されて面白かった。それと、二人していつも美味しそうな物を食しているのが気になった〜あああ、私も飲みに連れて行って欲しいわ。
最後の「再会」は、「月の扉」の後日談。あの時人質になった子どもの一人が成長して座間味君と会う。これが、なかなかに感じ悪い話。あの事件の真実って、座間味君以外はちゃんと理解してないのかしらん。座間味君の情け容赦ない推理が光って爽快だったけどね。