「人形の部屋」門井慶喜。
- 作者: 門井慶喜
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/10
- メディア: 単行本
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まあ、とにかく薀蓄がスゴイ。普通の人はこんなこと知らないよ!と思われる事柄をぎっしり詰め込んであるので、読了後は大変な物知りになった気分を味わえます。
それで、その薀蓄が謎解きの鍵になるわけで、正直尋常じゃありません。謎を解く方も解く方だが、謎を出す方も出す方だ。類は友を呼ぶってやつでしょうか?婉曲した言い方をするのをやめて、直截的な人付き合いをすれば、謎や誤解を生むこともないのにね〜とイライラすることしばしば。こんなお父さんだったら、私、家出してたわ。
最後の話「お子様ランチで晩酌を」がちょっといい。溺愛していたつばめが家出してしまう。何でも知っているお父さんでも、お年頃の娘の気持ちは見抜けなかった。知識だけじゃダメってことで。そういう完璧じゃないところが愛らしかったりする。特別な知識がないと解けないのはミステリーとしてどうなの?と思ったけど、最後が良かったので★4。