「先生と僕」坂木司。

先生と僕

先生と僕

「僕」は田舎から上京したての大学生伊藤二葉18歳。とっても臆病で悲観的な考え方しか出来ない性分。特技は抜群の記憶力で、見たものをそのまま画像で脳内に保存できる。そんな彼が、公園で家庭教師にスカウトされるのですが、その相手が「先生」こと瀬川隼人中学1年生。頭脳明晰で小生意気なジャニーズ系美少年。
隼人は、人が死ぬシーンが怖くてミステリーが読めないのに推理小説研究会に入ってしまった二葉のために、怖くないミステリーを教えてくれる「ミステリーの先生」なのだった。その他都会で危険を回避する方法など、どっちが大人なんだかわからない逆転の関係が面白い。
ストーリーは、二葉が遭遇した日常の謎を、隼人君がササッと解決してくれる短編連作集。その謎が、いかにも「都会に潜む危険」的なものなので、初めて都会に住む若者にとってためになるかもしれないな。