「花が咲く頃いた君と」豊島ミホ。

花が咲く頃いた君と

花が咲く頃いた君と

豊島さんの新刊は、花と季節を巡る短編集。
「サマバケ96」は夏のひまわり、中学3年生の少女2人が中学生最後の夏休みの思い出を作ろうとする話。
「コスモスと逃亡者」は秋のコスモス、(おそらく知的障害者の)19歳の少女が借金から逃げる男の手助けをする話。
「椿の葉に雪の積もる音がする」は冬の椿、中学2年生の少女と椿を愛した祖父との交流。
「僕と桜と五つの春」は春の桜、落ちこぼれの少年とアイドルとして成功していく同級生の少女の話。


どの話も、かなり心が苦しい。とり残され置いていかれる立場の人の痛みがある。読後感は悪くはなかった。けど、やはり辛くて痛い。大人になるって大変。
お気に入りは「椿の葉に〜」。しんみり。