「賢者の贈り物」石持浅海。

賢者の贈り物

賢者の贈り物

10個の短編集。昔話やO・ヘンリーなどの誰でも知っている有名な話をネタにしたミステリー。ほんのちょっとのヒントから想像力たくましくした強引な推理で真相に近づき読者をうならせる作り。相変わらずお見事です。殺人とかないし、軽く読むにはもってこいって感じ。
ところで。どれも妄想ぐあいが面白いわけですが、6つ目の『玉手箱』だけがちょっと他と違うのですよ。
知り合いの子どもの母親と懇ろになった主人公が、その母親に箱をもらい「絶対に開けないでください」と言われる話。浦島太郎のアレですわ。
で、もろもろ逡巡後、箱を開けようとするところで話は終わっちゃうんですよ〜!一体このあと何があったんでしょうか?私、とっても気になります。
それから、どの話にも共通に『磯風』さんという女性が出てきて、時に女子高生だったり、優秀なOLさんだったり、まあ、同一人物ってわけではないんでしょうね〜この磯風さんも謎だなあ。単にこんな感じの女の人が石持さんの好みってだけかもしれないけど。