「銀河不動産の超越」森博嗣。

銀河不動産の超越

銀河不動産の超越

決して怠けているわけではないけれどいまひとつ気力が足りない高橋君。そんな高橋君が就職した先は、大学の就職担当者が「ここだけはやめておけ」といった銀河不動産だった。ここしかなかったのだ…。


面白かったけど、最後が飛びすぎてるので★4ってとこかな。
序盤から中盤にかけてゆるゆると話は進む。このあたりがとても面白い。無為無欲の高橋君に比べて、彼の周囲に現れる人物は行動力旺盛、流されるまま知らず知らずのうちに話は展開して、気がつけば高橋君にとって有益なものになっている不思議。
全ての中心にあるのが、高橋君が住んでいる家。これがなかなかに想像が難しい。玄関から入って左右にとんでもなく広い部屋があって吹き抜け、正面ガラス張り、中央部分は浮島のようなキッチンバストイレ、螺旋階段を上がって二階部分は展望台のような…。この不思議な家がたくさんの人々を惹き付け、高橋君の周りにいつしか人が集まり、あっけにとられているうちにエンディングへ…。
最後はちょっとアレなんですけど。まあ、目を瞑ります。
気力が足りないと世間からは言われている高橋君だけど、彼は彼なりに一生懸命考え行動し、みんなが幸せになるように心配りをしているのですね〜だから必然彼は幸せになったのだ、と。そんなお話でした。