「月の裏側」恩田陸。

月の裏側 (幻冬舎文庫)

恩田さんの新刊「不連続の世界」に続編が書かれている、ときいたので前哨戦として読んでみた。ちなみにbook offで買ってきた自腹本。

ここんとこジメジメした不快指数の高い日が続いていて、まさにこの本を読むのにもってこい！全編に渡って湿度の高い気色悪さが続く作品。
ストーリーはジャック・フィニイの「盗まれた街」とほぼ同じか？ずいぶん前に読んだ本なので確証はないんだけど。ラストはどんなんだったかな？
知らぬ間に周りの人々が人でない何かに変わっているらしいことに気付いた登場人物たち。恐怖し、戸惑い、真相を見極めようと行動するものの……。心情が次第に移り変わっていく過程が見事。謎の生き物と果敢に対決するより、諦め受け入れる方向の方が日本人らしい気がした。