「金色の野辺に唄う」あさのあつこ。

金色の野辺に唄う

金色の野辺に唄う

泣けました。これはよい作品でした。
90を過ぎた老女が死の床に伏せているところから始まり、彼女の野辺送りまで。生前彼女に助けられた人物たちの回想を繋げた短編連作集。
老女松恵も、その周囲の人たちも皆業に苦しみながら生きてきて、でも松恵はやはり長く生きてきたからなのか、人の苦しみを和らげることのできる人だったのですね。
最後の、たくさんの人が集まった野辺送りの風景が、秋の色に染まって美しく印象的。
人の役に立つことがしたいとか、苦しんでいる人を助けたいとか、そういうことを常に心がけて構えてるんじゃなくて、知らず知らずのうちに人を助けている、、、というような人間に私はなりたい、というか、いずれなっていれればいいな〜と思ったのでした。