「山魔の如き嗤うもの」三津田信三。

山魔の如き嗤うもの (ミステリー・リーグ)

刀城言耶シリーズ第４作目。これも面白かった!

今回の怪異は、山魔（やまんま）。
東京で中学の先生をしている郷木靖美が書いた原稿（故郷に戻って成人の儀式の「三山参り」に臨んだところ山魔に取り付かれてしまった…）から始まり、危うい精神状態に陥っている靖美を救うため、靖美が出会った怪異の謎の解明に言耶が乗り出す。が、そこで連続殺人事件が…。

クライマックスの謎解きシーンが圧巻。怒涛のどんでん返しの繰り返しで、またしても何度も打ちのめされてしました。で、やはり不思議なことはあるんだ、わからないこともあるんだ、というスタンスが余韻を残して…。ですが、今までよりも民間伝承の薀蓄が少なく怪異についての描写が足りない感じが。まあ、うるさくなくって読みやすかったとも言えるけれども。そのせいか、童謡の見立て殺人が不気味ではあっても、あまり怖い感じがしなかった。ホラーからはやや遠ざかってたなあ。