「カイシャデイズ」山本幸久。

カイシャデイズ

カイシャデイズ

楽しく仕事ができるに越したことはないんだけど、なかなかそうはいかないわけで、世知辛い世の中ですね、昨今。この本は、そんな世の中で生きる人間に夢や希望を与えてくれるかもしれない?
従業員数47名の内装会社ココスペース。そこで働く社員が交代で主役になる連作短編集。
強面で酒癖が悪くって粗忽な営業の高柳はなぜかみんなから好かれている。自分勝手な天才デザイナー隈元はウブ。いつでも作業服で、フットワークのいい施工の篠崎は無類の風俗好き。この3人が主で、その他各種個性派ぞろい。そんな個性派たちがせっせと働いていて、、、
これがとっても面白かった。トラブルや人間関係でいろいろあっても、みんなでワイワイやっているうち何とか乗り切って。たまに楽しいことや心熱くなる時があるからやっていけるよな〜みたいなノリで、仕事に対して前向きな気持ちになれる。
全然使いものにならなくってそのうちやめそうな新人君もいつの間にか熱血社員になってるし。嫌味な人も実は憎めない人だったりして。そういうのは現実にはありえないかもしれないけれど、小説は楽しいのが一番。山本さんの作品はそれがいいところだな〜と思う。


それにしても。なんだってこの会社の人はやたらとミスド食べてるんでしょうか。それもすんごく美味しそうに!もしかしてミスドがスポンサーとか?