「野球の国のアリス」北村薫。

野球の国のアリス (ミステリーランド)

野球少女のアリスが、鏡の向こう側の世界へ行ってしまうファンタジー。そうだな〜小学３，４年生あたりから読めるかな？

世の中の大多数の人が「いい」と思うことが「正しく」なってしまい、それを変えていくのはとても難しい、ということか。昨今の「負ける子がかわいそう」思想を痛烈に皮肉って、鏡の向こう側はとんでもないことになっている設定。そんな世界に一石を投じようとするアリスと仲間たちの奮闘ぶりに好感が持てました。
「はじめに」の部分に、「自分で考える力を阻害するようなわかりやすさはよろしくない」的なことが書かれているんですけど、そのわりには大変わかりやすく丁寧に書かれていて、北村さんもさぞや苦労したんじゃないでしょうか。