「窓の魚」西加奈子。

窓の魚

窓の魚

秋の日、2組のカップルがバスに乗って温泉へ出かけるところから始まるストーリー。4人の視点による4つの短編は、同じ時間、同じ場所の同じ出来事を描く。
人が死んでどこかサスペンス風でもあり、ドキドキしながら読み進めましたが、、、サスペンスでもミステリーでもなく。う〜ん純文学風でしょうか。
どれだけ一緒にいても、誰とも分かり合えない独りよがりの世界の虚しさがヒシヒシと感じられる作品でありました。まるで泥沼にズンズン沈んでいくような、抜け出そうにも抜け出せない絶望感でビッシリ。結局人間は一人なんだよね……ブツブツ。
なんとも後味の悪いことよ。ま、こういうのもたまには良い。