「気をつけ、礼。」重松清。

気をつけ、礼。

気をつけ、礼。

短編6つは教師と生徒の関係のストーリー。
重松さんの心温まる話にはずれはありませんが、今回の短編集は「温かいだけでなくシビア」な話が多かった。教師と生徒といえども、人間対人間の関係。先生は神ではないという現実を突きつけた意欲作だったと思います。子どもが読む本ではないけれども、子どもに教えたいね。
「白髪のニール」
生徒にギターの手ほどきを受ける物理の先生のお話。大人になるって何?
「ドロップスは神様の涙」
いじめに遭い、保健室登校になった女の子のお話。担任教師の若さと未熟さが痛い。
マティスのビンタ」
画家を目指す美術教師のお話。う〜ん、なんだ?人間性丸出しなのは私は認めないぞ。男は共感するのか?殴るの禁止。
「にんじん」
若手教師がどうしても好きになれない生徒に知らず知らず嫌がらせをしてしまう、救いようのないお話。子どもがこんなことで現実を知るのは辛いのだけれど、実はよくあることなんじゃないの?
「泣くな赤鬼」
野球部の監督教師と退学した生徒との最後の交流。泣けた。完璧でなくとも後悔する先生であってほしい…でも子どもらにとっては一期一会なんだよね〜取り返しの付かないこともままあるんじゃないんでしょうか。
「気をつけ、礼。」
立派な先生だった、でも身を持ち崩した…。先生も人間だもんね。現実だなぁ。


私ってば余程センセーにいい思いでないのかな(苦笑)。