「たまさか人形堂物語」津原泰水。

たまさか人形堂物語

たまさか人形堂物語

可愛がってくれた祖母が遺した潰れかけの人形店を受け継ぐことになった澪。人形修理の店を始めた。従業員は、どんな人形でも治してしまう職人の師村さんと、人形マニアで手先が器用な富永君。店には曰くの人形が持ち込まれ…。
3人のかけあいが面白かった。脇役の人もだけれど、皆察しが良くって余計な言葉がなく、テンポが小気味よいのです。
持ち込まれる人形は多種。雛人形、テディベアからダッチワイフまで。同じ人形の範疇入れてしまうのも憚られそうなのに、そういう融通の利き具合が店の魅力に感じられてとてもよかったですね。続編…あり?

以下メモ。
『毀す理由』
何度もテディベアの手足を引きちぎってしまう少年と、自分がモデルの人形の顔を壊してしまう女性。
人の美意識は繊細ですね。
『恋は恋』
ラヴドール麗美ちゃんのお話。まるで生きているような…。
『村上迷想』
人形で有名な町で起きた殺人事件の謎を…。後味悪。
『最終公演』
チェコの人形劇公園の思い出。ファンタジーのような。これが一番のお気に入り。ここから先、ストーリーは加速して…。
『ガブ』
淡路島の人形浄瑠璃と師村さんの過去。悲哀。
『スリーピング・ビューティー
閉店を決意した澪と仲間の大団円。


作中、人形って何?と澪が思い悩む場面があって。
そういえばウチには人形ないな…


ガンプラは人形じゃないか。