「トワイライト★ミュージアム」初野晴。

トワイライト・ミュージアム (講談社ノベルス)

トワイライト・ミュージアム (講談社ノベルス)

タイムトラベル物ファンタジー
主人公の少年片岡勇介14歳は養護施設暮らし。天涯孤独と思っていたところに大叔父が現れ、やっと家族と暮らせると思いきや…


いちばん初めに感じたことは、「また脳死?」ってことだろうか。脳死に特別な思いがあるのかしらん。初野さんを読むのは2冊目、前は「水の時計」、あちらは脳死状態であるのに意思疎通ができるというミラクルな設定だった。
今回は、脳死状態の人間の精神だけがタイムトラベルをしてしまい、それをサルベージしに行く、という話。

なかなかよかった。少年は人と出会い辛い経験を乗り越え、成長していく泣ける話だったと思う。だけど不平不満もチラホラ。
とにかく全編にわたって重苦しい。たった14歳の少年に重責がのしかかるばかり、それに見合っただけの救いが感じられなかった。
それから、個性的な脇役が多数登場するのに、彼らの人となりが掘り下げられない不満…多分シリーズ物にするつもりなんだろうね。
タイムパラドックス云々もなあ…SFとしては読めないかも。