「“文学少女”と死にたがりの道化」野村美月。

“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)

全く内容を知らなかったんで、いきなり太宰で度肝を抜かれました。「人間失格」かよ…みたいな。いい印象がない作品でありましたし、太宰そのものがあまり好きではなかったりでシブシブ読み始め。
しっかし、それ以前にこれはラノベでした。
「美味しい〜〜〜〜〜〜〜！」
とか
「え――――――――――っ！」
とか、ものすごくイラッときました(笑)。ま、慣れましたけど。我ながら適応力早いです。
内容は、意外とシビア、死にたがる青少年のお話。１０年前に互いに傷つけあった人たちと、現在傷ついている人たちのアレコレ、となっておりまして、一応ミステリーのような風合い。人の気持ちがわからない、と悩んでいるお子たちが「人間失格」にやたら共感してしまうわけですが、人の気持ちなんて分かるわけないじゃありませんか？だって他人なんだしさ。な〜んて思うのは疲れた大人だけなのかね。
結末は前向き爽やかでしたが、まだ主人公の子の過去の謎が残されているみたいで、心残りがなくもなく、続刊も読むのかな…私。
「人間失格」は、多数引用してあるとのことでしたが、具体的にどんな話か思い出せなかったので勢いで読んでみました。