「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」辻村深月。

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)

幼馴染みの30歳女性2人、神宮司みずほと望月チエミ。
4月、チエミの母親は包丁で刺され死亡、チエミは失踪した。
10月、みずほはチエミの行方を探しはじめる…。


これは辛かった。
母娘の関係と、女友達との関係、価値観の違う人間と付きあう苦悩がドロドロと延々と。それでもラストはカタルシスが得られた。泣けた。
友達はいやなら付き合わなければいいことだけれど(でもドロドロは付きまとうんだよな〜いやはや)、母娘はどちらかが死ぬまで切れないから厄介。
それでも血のつながりがあるからこそ赦しあうことはいつでも可能であり、そしてどんなことがあっても最終的には赦しあえるのだ、と、この作品は語っている〜と感じた。みずほと母親との関係が、どうかよい方向に向かってくれますように…。
30歳前後で、女関係に悩む女性が読むとより共感が得られるかと。


女同士というのはとかく煩わしい、と常々思っている私は友達が少ない…なので今お付き合いしてくださっている方々を大事にしなければ、とつくづく考えさせられました。それと新しい扉をどこかに開く気構えもいるよねぇ。 


ちなみにこの作品は、第142回直木賞の候補作となってますね。他の候補作をまだ読んでいない私がいうのもおこがましいですが、なんか手ごたえを感じるわ。14日が楽しみ。